My life! after diagnosed with BC

2019年最後の乳腺外科

 

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 スカートのウエストにおなかの肉が乗るかも?と、そんな事を考える余裕があるなら大丈夫!と思っていたけれど、乳腺外科の待合でまた涙が落ちる。

他の先生の部屋からはどんどん呼び出されるのに、何故か主治医の診察室には約1時間半、誰も呼ばれない。その間、看護師が他の人に説明している内容が聞くともなしに聞こえる度に、いちいち動揺してしまう。イブランスが、造影CTの結果が、次はご家族と一緒に、紹介のお手紙は用意できた、同意書にサイン、今からマンモとエコーを撮ってきて、手術の説明をします‥等々。
ケア帽子の人や杖を突いている人、車椅子の人を目にする度に息が苦しくなる。
勝手に想像してそれを自分のことのように感じるのを、過去の辛かった時の気持ちを反芻するのを、悪い事を考えるのを止められない。手が震える。

逃げ出したくなる。

もう無理、これ以上ここに座っていたくない。

お願い早く呼んで、と必死に思っていると、ようやく聞き慣れた主治医の声が聞こえた。緊急で呼ばれていたのだろうか、とまた不要な想像を膨らませてしまう。
術前検査で心電図を取っている横で苦しそうな人の主治医として呼ばれてきたことや、インプラントの入れ替えで入院していた時に緊急入院してきた人のところへ来ていた姿が頭をよぎるのを必死に考えないようにして待っていると、ありがたいことに2番目に呼ばれる。

急いでドアを開けた瞬間、顔をあげてこちらを見る主治医と目が合うと、ようやく息ができるようになった気がしてちょっと落ち着く。

「今日は注射は‥なしか、診察だね」と荷物入れを診察台側に滑らせてカーテンを閉める。
服を脱いでいる間、カーテンの向こうとこちらで世間話。もういい?もうちょっと!ゆっくりでいいよー、出来ました!と急いで準備をしたら「どう、元気?変わりない?」と尋ねられる。

「元気なんだけど、ずっと首の辺りに違和感があって。耳鼻咽喉科に行って鼻からスコープ入れて診てもらったけどなんでもないって言われたのだけど、でもやっぱり違和感あるんです‥」と言ってみる。
「よくあるみたいだよ、外と中から診てなんでもないなら‥(大丈夫)」と言うけれど、「外は診てもらっていないから先生に触ってもらおうと思って」と言うと「エコーはしなかったの?」といつもよりしっかり目にチェックしてくれる。脇はぐっと奥まで確認、首周りも何度か触りながら「違和感を感じやすいところだし、いきなりここというのはないから」と思った通りのことを言ってくれる。わかってはいたけれど、先生が言ってくれると安心。「ですよねー、大丈夫そうなら良かった!」と終了。

下がるね、と診察台を下げる途中、今回は蹴飛ばさないように膝を立てておいたのに「ぶつかった?!」とカーテンの向こう側にある足元の「なにか」をまたよけてくれる。「早く(外来も)新しくなって脚を伸ばせるようになると、お互い気を使わなくてよくなるね」と笑う。

服を着たら次回の予定を調整。
お願いしていたエコーはちゃんと予定に組み込まれていた。緩和ケアにあわせて午前中の予約にしようとしてくれているけれど、今日の待合の息苦しさを思うと遅い時間の方が落ち着くのかも、と思って今まで通りの時間にしてもらう。採血・エコー・診察・注射・緩和ケアと予定を組んでいる間、電カルの画面が見える。
手書きカルテの頃の名残なのか、口語のメモ書きで「水着大丈夫そうじゃん→海外!」とか書いてある。世間話程度に話すことも、医者が聞くと違う側面があるのかな。
うっかり余計なこと言っていないだろうか‥。会話の中から必要な情報を集めてくれているのであれば、構えずに話をする感じのままでいいのかな。

そういえば別の先生の学会発表資料の中で患者さんの状態を説明するスライドに、
がん保険未加入」「不安が強い」「BMI〇〇」などの記載があった。そういうバックグラウンドの違いが治療方針に影響するのだろうか。

TAMの処方を用意しながら、「保湿剤は?要る??」と聞かれたので「携帯用に、小さいのが欲しいですー」というと「いいよ。冬だからねー」とすんなり話が進む。

そうそう、ジェネリックの液体じゃなく先発の小さい方、と頭の中で思っていたのだけれど、調剤薬局で渡されたのはこれ。

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‥確かに小さいけど、違う―。
処方箋は「ヘパリン類似物質油性クリーム」となっていて、クリームはローションよりも、もう少し重めなテクスチャーなのだという。

私が思っていたのはこれ、「ヒルドイドローション0.3% 25g」

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判りにくいが、液体状の「ビーソフテンローション」も処方名では「ヘパリン類似物質外用液0.3%」となり、先発が乳液状のヒルドイドローション、後発の一つが液体状のビーソフテンローションになる。判りにくいー!

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渋っていると、病院に電話して先生の許可が出れば変えることもできますよ、と薬剤師が説明してくれる。
伸びが悪いと、インプラント上の皮膚が引っ張られる感じで痛みがある。手首の手術痕にも、癒着している部分には同じような痛みがあるので、きっとインプラント上の傷も癒着しているのだろうなぁと思っている。
4本もあるし大丈夫かな、痛くなく使えるかな、と不安に思っているのを感じ取ってくれたのか、奥から使いかけのを持ってきてくれ、少しだけ手の甲に乗せてくれる。

‥思ったよりゆるくて伸びもなじみもよさそう、これなら引っ張られ感なしに塗れそうかも。25gのチューブ入りなので、旅行の時に持ち歩くにもいい感じかも。
うん、これ使ってみます。

今まで使ったことがあるものを塗り広げやすさ順で並べるとこんな感じ?
ソフト軟膏ニプロ<0.3%クリーム後発≦0.3%ローション先発<0.3%ローション後発

 

なんにせよ、緩和ケアや待合での不安や動揺や息苦しさは、主治医と一緒の間は不思議と感じずに済んだ。安心感?
ようやく心が落ち着いたので、もうしばらくここにいたい‥と思って「はい、いいですよ。またね」と言われるまで黙って座ってみる。
あー、自分のことに精いっぱいで、また今年もお世話になりましたと言おうと思っていたことをすっかり忘れていた。毎年同じことを思って、毎年そこまで気が周らない。

一体、いつになったら落ち着けるのだろう‥。

 

ランチのお店のとなりにある、おはぎ専門店。

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おはぎにもほうじ茶、中は黒米。

ハロウィンらしく、カボチャにすればよかったかな??