My life! after diagnosed with BC

分かれ目は80%?

閉経前(=若年!?)のタモキシフェン術後補助療法へのアドヒアランス評価に関するESMO2018(欧州臨床腫瘍学会:European Society for Medical Oncology2018)での発表レビュー。

術後内分泌療法へのアドヒアランスが低いことは予後不良につながり、術後タモキシフェン治療を行っている女性ではアドヒアランス率が80%以下であることが早期再発や高い死亡率の独立した予測因子といわれている。

閉経前乳癌で術後タモキシフェン治療へのアドヒアランスの評価に血中濃度は有用【ESMO2018】


この一文の根拠を探せなかったが、80%が分かれ目のデータがあるということだろう。
1年のうち73日、月に6日の飲み忘れが相当日数となる。

今のところタモキシフェンは飲み忘れなく飲めているが、飲み始めに副作用確認で少ない数で処方されていた時、1錠足りなくなったことがあった。明日の分がない!と慌てて電話した私に、主治医は「長期服用の場合はそんなに神経質にならなくても大丈夫」と言った。
当時は心配なのですぐ不足分を処方してほしいと言い、今後もし予約を取れなかった時に薬がなくなるのが不安と言って、次回予約までの3か月+1週間分で処方してもらって、いつでも1週間分の余剰が手元にあるようになっている。
今にして思えば、半減期は109時間ということは調べればすぐわかるのに‥と思うけれど、これで万が一出張や旅行や混雑し過ぎて予約が取れなくても安心。先日のように、薬局が閉まってしまっても余分に持っていれば安心できる。

 

また若年乳癌患者は術後内分泌療法へのノンアドヒアランス率が高いことが知られている。

‥これはちょっと意外。
もともと東洋人は服薬率が高いと聞くし、EUでの発表なので国によって違いもあるだろうけれど、若年(ここでは閉経前を指すらしい)の方が服薬率は高いと思っていた。
でも、「ノンアドヒアランス率が高い」とのこと。


アドヒアランスは、患者が「積極的に治療と向き合う」とか「自分の意思で治療を行う」とかを指す。患者が積極的に治療方針の決定に参加して、その決定に納得して治療を受けることも含むそう。


少し前までは、「医療提供者の決定に沿った行動を取るかどうか」をコンプライアンスcompliance:遵守)として評価していたが、アドヒアランス(adherence:執着心)として評価するのが一般的になってきている。

コンプライアンスと聞くと、法令順守のことをイメージするが、医療用語では服薬・食事・リハビリ運動などをスケジュール通りに行うことを指すそう。
法令の代わりに医師や薬剤師などの決まりに沿って行動するイメージ。

「医師に従う」から「自発的な治療への参加する」に変化してきているということ。

コンプライアンスが悪い≒薬を指示通りに飲まない
アドヒアランス≒薬を飲むことの意義を理解していない→規定通りに飲まない

ここでも、一番良い方法を医師が提示するのでそれに従っていれば安心、ではなく、何のため、自分がどうしたいかを納得したうえで治療に取り組みましょうとなっている。

服薬に関する低アドヒアランスの要因としては、薬に対する嫌悪感・偏見(薬を飲むのが面倒、薬に頼りたくない、依存が不安、耐性が不安、副作用が不安)、病識の欠如効果の実感が足りない(よくなったからもう大丈夫、自分は病気ではない、飲んでも飲まなくても変わらない)費用副作用などがあるそう。

一部心当たりがある‥痛みどめや抗鬱剤に関しては上記のようなことを思っていた。


もう一つの低アドヒアランスの要因に、コミュニケーション不足というのもあった。
コミュニケーションだと、双方向なので私の場合はちょっと違うかもしれないが、飲みたくないと言う話を聞いてくれて、継続した服薬が必要なこと・心配は要らないことを納得できるまで説明してもらえたからドロップアウトしなかった、ということに感謝している。

ここでも理解して納得する努力を求められている。
難しくて理解できないことも大変だし、理屈っぽくて納得できないのも大変。。