My life! after diagnosed with BC

ホルモン療法の副作用は軽微だという表現の功罪

ピルカッターも購入してレクサプロ減薬してからもうすぐ1か月。体調は悪くないのに底なし沼に吸い込まれるようなだるさと眠さでアラームが鳴っても起きることができない日が月に数回あり、これじゃあ困ると悩まされていたが減薬してからはすっきり。ジム通いを始めたので肉体的に疲れていることはあっても自分でコントロールできないどうしようもない倦怠感や眠さはなくなった。
これならレクサプロで続けていけそう。

前に半錠飲んでいた時はどんな感じだっただろう?と見直してみたら、今にして思えば明らかに普通じゃなかった。

うんざりするほどの辛さとあまりにも普通な毎日の繰り返し。どっちが現実なのかだんだんわからなくなってきている気がする。

もう元に戻れないのかも、壊れてしまったまま過ごすのかも。いろいろ面倒になって何もしたくない。朝起きるのも面倒、仕事に行くのも面倒、休日もずっと寝ていたい。

もう何のために頑張るのかわからない。ほしい日常はなくなってしまったのだから体調悪くてもなんでもどうでもいい。

もうなんでもいい、どうでもいい。体調のこと聞かれたくない。


ネガティブな気持ちが止められない勢いで湧き上がってくる。そしてまた自責。自分がダメだからだ、とメソメソする。もう戻りたかった状況が無くなってしまったのだからこのまま放っておいていいのではないかと思ってしまう。


理由は分からないけれど先生の顔見られなかった。顔も上げられないし目もあわせられなかったしちゃんとした会話にもならなかった。一気にしゃべって、あとはうなずくだけしかできなかった。
ずっと後ろ向きで逃げる事ばかり考えている。薬のせいなのか私が弱いからなのかわからないけれどどんどんダメになっていく。閉じこもって心を開けない。こんなの変。自分が自分じゃないみたい。
どうなっていくの、私の心と体。元に戻りたい。


当時は苦しいのはさておき、「なんか私、変かも?」くらいだったが、こんなことをずっと感じていたということはやはり変だった。いま読み返せばこれじゃあ周りから心配されるわ、という内容だ。鬱の症状が出ている、と言われたのも納得。

レクサプロは効いていない、と判断して薬を変えてもらって本当に良かった。いったんもちなおしているのでこのまま維持したい。二度とあんな思いをするのは嫌だ。眠い・だるいは2か月間レクサプロを飲んでいる間にも出ていたらしい(忘れていた)ので、副作用なのだろう。これも減薬して落ち着いている。

鬱の症状が、という言葉に敏感になって否定する気持ちが大きかったが、結果的には間違いなく治療してよかった。もし、TAMで辛い思いをしている方の目に留まるのであれば、緩和ケアや心療内科にかかることも検討してみてほしい。当時友人に言われたが、自分を追い込んで辛い思いをしないで、楽になる方法を探してほしい。
「もういろいろどうでもいい感じ。体調も良くはないけどもうこれ以上良くならない気がする」と投げやりになったときに緩和ケア主治医に言われたのは、「(そう思うのは)薬が効いていないから。方法はあるのであきらめないで」だった。こんな病気になったのだから落ち込んで当たり前、とも思っていたが、結果的には当たり前の落ち込み具合は気づかないうちに超えてしまっていた。

ホルモン療法は化学療法に比べて副作用が軽いとか出にくいとされているが、必ず出る副作用がないというだけだ。治療を受けている多くの人が我慢している(もしくは我慢する必要もない)些細な副作用だと思わせる表現だが、そうとは限らない。私はケモをしていないのでどちらがどうと比較はできないが、「多くの人が続けている治療なのだから大げさなのかも」「みんな我慢しているのだから私も我慢できるはず」「化学療法に耐えている人を思えば文句を言えない」「血液検査の数値に出るような副作用でなければ我慢しなければ」などと思っていた。
でも、辛さは人と比べられるものではないし、その人の生活や価値観によって変わるものなのだから「何かおかしい、以前の自分と違う」とか「副作用がつらくて治療を止めたい」と感じることがあるのであれば、自分のカラダやココロに耳を傾けて変調をそのままにしないで解決策を探してほしい。
あまり我慢強くない私ですら「ホルモン療法の副作用は我慢できるはず」と感じていたことを思うと、辛い思いをしていてもそれを我慢しなければと思っている人がたくさんいるのではないかと、ふと思う。

とはいえ、ほとんど副作用が気にならない人がいることも事実のよう。なので、ホルモン療法を受けようかどうしようか迷っているならば、とりあえず心配は置いておいて治療を受けてみて、副作用が出た時には楽になれるように副作用対策してもらうのがいいと思う。対策を講じてもその副作用が楽にならない・もしくは我慢できないときにはどうするか悩めばいい。
想像だけでホルモン療法の副作用におびえたまま、もしくは副作用対策を受けないまま、辛いからと治療を放棄するのはもったいない。たった数%かもしれないし数10%かもしれないが、もしかすると苦になる副作用を感じないで治療ができるかもしれないのだから。それでも治療が辛ければ、止める選択はいつでもできるのだから。