My life! after diagnosed with BC

LH-RH Agonist始めて1年の心境

なんだかんだであっという間にLH-RH Agonistを始めて1年の日。

1年前は副作用が怖くて拒否感全開だったなか、無理やり前に進もうと予定を前倒しにして初めてZOLを打った日。

ホットフラッシュのある生活、関節痛で思うように動けない生活ってどうしたらいいの?商談中、会議中、通勤中、汗が止まらいとなったらどうすればいいの?お客が階段で移動する時、ついていけなくなったら?
‥と書いていたが、ホットフラッシュと関節痛のどちらも同じくらい怖かった。


関節痛に過敏になったのは、罹患する2年前に利き手の靭帯を再建した際に1か月間のギプス+半年以上のリハビリ生活を経験したからだと思う。
TFCC損傷、という手首の靭帯を一部切ってしまったのを縫い留める手術をしたのだが、日帰り部分麻酔だったにもかかわらず1か月間も指先第二関節から肘上までをギプス固定が必要だった。それだけ手の構造は複雑であちこちつながっているかららしいが、想像以上に不便な毎日だった。

私は左利きだが、右手ではほぼ何もできない。日帰り手術で土曜に手術して月曜から仕事に出ていたが字が書けないので営業に出られない。(会話をメモできない)社内にいても電話メモも取れない。PCもメール位は打てるが集計作業となると途端に効率がガタ落ち。
日常生活ではジップロックも開けられない、チューブも絞れない、ドライヤーもかけられない、コンタクトレンズを外せない(外せないので入れられない)、ストッキングを履けない、などできないことを挙げればきりがない。道具で工夫すれば‥とも思うが、買い物に行っても片手では財布をあけてお金を取り出すのもかなり大変。

なんとかギプスが外れても、1か月固定していたので硬縮が酷かった。
若いから(この時も言われてた)多分リハビリも要らないだろう、という先生の予想とは裏腹に、握力は小学生以下に落ち、日に何度も逆の手で曲げ伸ばしをしないと指を曲げることもできなかった。ふわっとグーに握れるようになるまで1か月、90°に固定されていた肘をまっすぐに伸ばせるようになるまで約1か月。買い物袋やバッグを手に下げて持つことができなかった。

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術後2カ月、半ギプスの装具になったけれど腕は伸びない‥完治している予定で予定していた台湾旅行決行。荷物が持てないので斜め掛け。

その後も手のひらを上向き・下向きにできるようになるまで半年以上毎週末リハビリに通っていた。
まともな字を書けるようになるまで3ヶ月、手をついて体を起こせるようになるまで一年、7月に手術をしてその年の冬は手袋をはめることすらできなかった。
もう一生よくならないのではないかと想像して、リハビリの最中に涙が出たり手術しなければよかったと思うことが何度もあったが、保険点数がつかなくなってクリニックの持ち出しになるぎりぎりまで通わせてもらったおかげなのか、なんとか日常生活ができるようになってリハビリを終えた。

その後も、固いものを包丁で切るとかパン生地をこねるとか、おつりを術側で受け取る(手のひらを完全に上に向ける)、エレベーターのボタンを押すといった作業ができるようになるまでにはさらに1年くらいかかった。最後までできなかったスゥイングドアを開ける、ができるようになったのは2年以上経ってからだった。


これが完全にトラウマとなって関節痛やこわばりの副作用がとにかく怖かった。

ホットフラッシュに関しても、電車の中で突然汗が止まらなくなるとか首からタオルを巻いて過ごすとか、暑くて眠れない、でも「ホルモン療法は暑くて当たり前」として受け止めている話を目にし、自分の生活にあてはめてシュミレーションしてみては、やっぱりムリ!そんな治療はしたくない!と思っていた。そしてそれは今でも心の中で思っている。

結局、主治医の「再発させたときに一番後悔するのは○○さんだよ」という言葉をきっかけに提示された治療をしようと思ったけれど、始めるまでも始めてからしばらくの間も、LH-RH Agonistは止めたい、人工更年期状態はイヤ!とずっと思い続けていた。

もし同じようにホルモン療法に悩んだり躊躇する人の目に留まった際には、少しでも心が軽くなればいいなと思うが、ケモほどではないがホルモン療法にも副作用の対処法がある。私は漢方とSSRIに本当に助けられた。

漢方は最初は効き目が足りないと判断されたが、SSRIにプラスして再開してからは、飲むのと飲まないのでは大分ホットフラッシュの起きる頻度に差があるように感じている。(=効果を感じている)
SSRIに関しては、薬によっては組み合わせが悪いものもあるようだが、タモキシフェンとも併用できるものもあるようだ。(私は気が済むまで調べた結果、納得している)ホルモン療法へ対する嫌悪感や恐怖感はメンタルが安定することでも改善すると思う。

新しい不調が現れてもそれには対処法がある(場合もある)こと、しばらくすると本当に体が慣れて気にならなくなることもあること、対処法がなくて体が慣れなくても自分で対処する術をそのうちみつけることができる(こともある)ことが、一年かけてようやく経験則的にわかってきた。当初は、他人事だと思って適当な事を言わないでよ、と思っていたが、日にち薬だとか、そのうち慣れるから、と周りや医者が言う言葉も半分本当だと思う。

まずはカラダがエストロゲン不足に多少は慣れてくる。私の場合は、あんなに心配していた関節痛。肩が痛い、股関節が痛い、膝が痛いとあちこちが痛くなったが、1か月程度で順次引いて行った。目のかすみやチラつきも、一時期酷くて夕方にはPC仕事に支障が出ていたが1か月もしないうちに気にならなくなっていた。

更に、当初は日にち薬とかそのうち慣れるとか、そんな漠然とした適当なことを言われても気休めにもならない!と思っていたが、症状自体は変わらなくても、それを受け止める自分自身が(いい意味で)鈍くなっていく。初めてのことばかりが続いて、自分の変化に気持ちが追いつかずに戸惑っていたのが、繰り返される「初めて起きる体調変化」それ自体がそのうち目新しくなくなっていく。
たとえば、今なら急に乾燥肌になってあちこちかぶれたりしていても、薬を塗って様子を見ようとか、保湿力の高い石鹸に変えてボディーローションも変えて様子を見よう、となる。以前であれば「痒い!被れてるー!これってホルモン療法のせい??なおる?それはいつ頃??」と、どうにもならないことを尋ねては「治ると思うよ、でもいつかはわからないなぁ」とあたりまえの答えを返す主治医にいら立ちを感じていた(ゴメンナサイ)。
いつか治るって言うけれど、治らなかったら?治るのが2年後とか3年後とかずっと先だったら??と不安だったのだ。
ジェイゾロフトからレクサプロに戻してから再度悩まされている早朝覚醒も、以前なら「こんなに元気になっているのにまだ鬱の症状が出ているってこと?レクサプロに変えたから再燃したっていうこと?治らないの?この先どうなるの??」と自分を追い込んで不安を募らせたと思うが、「あーまた目が覚めた。でもあと1時間半寝れるから寝ておこう(平日)」とか「もうー、ゆっくり寝たかったのにまた目が覚めた。今日は予定もないし寝なおしたらしばらく起きないだろうから先に朝の薬を飲んでから寝なおそう(休日)」くらいにゆるーく受け流せるようになってきた。

軽微な副作用は消えることもある。辛かったら我慢しないで対処法を考えてもらう。対処法は1つじゃないのでいくつか試す。それでも改善しなくて我慢できないと思った時に、ホルモン療法を続けるかどうかを考えればいい。
怖がらないで、でも我慢しないで。すでにたくさん辛い思いをしているのだから自分を追い詰めないで。そして後悔しない選択をしたい。

簡単なことなのに、1年前の私には想像もつかなかったが「なんとかなるんだろうな、なんともならなければ次回先生に相談しよう」と考えられるようになった。

viva!鈍感力❤︎