My life! after diagnosed with BC

ASCO2018レビュー、TAILORx試験解説とCDK4/6阻害薬

ASCO2018のレビューとして、LuminalA、LuminalB(Her-)の人向け「新たな時代を迎えるHR陽性HER2陰性乳癌の治療戦略」が掲載されていた。
6月早々に出たレポートを読んで、なんで??と思っていたことが一つ解決。
他、こういう解釈になるのね、と思ったことの覚書。

TAILORx試験解説:
・臨床的に高リスクでも(患者がケモを避けたければ)、Oncotype DX→低・中RSであれば化学療法は回避しても良いという提案が可能

臨床的に中間リスク以下と考えられる場合は、Oncotype DXで検査する必要はない

・「50歳以下で中間RS(RS16-25)は、化学療法によるベネフィットがある程度得られる可能性」がある。でも、試験ではほとんどに卵巣機能抑制が行われていないので、この程度の差であれば卵巣機能抑制で十分に埋めることができると思われる

中間RS群で50歳以下の患者さんには化学療法をしたほうが良いということではなく、卵巣機能抑制をしっかりと行うことで、50歳以下でも内分泌療法単独でも化学療法を上乗せした場合と同様の結果が得られるという考察も可能  
日経メディカルOncologyリポートhttps://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/report/201808/557479_3.html

 

CDK4/6阻害薬:
・がん細胞はCDK(Cyclin Dependent Kinase:サイクリン依存性キナーゼ)という、細胞周期のG1期/S期を促進する酵素が活性化することで、細胞分裂の制御ができなくなっていて、無秩序な増殖を繰り返す(正常細胞では細胞周期の途中で制御がかかる)
・CDK4/6阻害薬はCDK4及びCDK6に対して高い選択性があり、活性を阻害することで細胞周期の進行を停止させる
・CDKを制御することでホルモン療法抵抗性を解除する →???解説がほしい。。

・2017年12月に認可されたパルボシクリブ(イブランス)、申請中のアベマシクリブはCDK4/6阻害薬
・CDK4/6阻害薬は閉経後の一次治療にAIと併用するとPFS(無増悪生存期間)が上乗せになり、2次治療ではフルベストラントと併用すると上乗せがあるという試験結果が出ている
・1次治療でのCDK4/6阻害薬+フルベストラントの効果を調べるのが第III相のMONALEESA-3試験。結果は1次治療でも2次治療でも有効だったので、今後は1次治療でフルベストラントを使う場合にCDK4/6阻害薬をプラスするのもアリ
閉経前でも有効性が一貫して示され、PALOMA-3試験で卵巣機能抑制+フルベストラント+CDK4/6阻害薬は上乗せ効果がある、MONALEESA-7試験の結果でribociclibでも同様の効果がある、と判断できる
・CDK4/6阻害薬はLuminalAでもBでも効果がある
効果がある人のバイオマーカーが不明。(効く人・効かない人の判別ができない)
・ホルモン療法で得られる効果を最大限長くするために、耐性が少ない1次治療か2次治療の段階で使うのが有効
・CDK4/6阻害薬の耐性遺伝子を探す試験もあり、耐性ができ、治療前になかったPIK3CA遺伝子に変異がある場合は、PI3K阻害薬を使うと再度ホルモン療法に反応する可能性がある

ホルモン療法というのは、1番最初に使うときが最も効果が高くしかも長く効きます。日経メディカルOncologyリポート

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/report/201808/557479_7.html

Luminal(Her-)であれば、ホルモン療法が強い味方ということだろうか。


初期治療に関するデータ以外(CDK4/6阻害剤に関して)は斜め読み程度で、気になったことをランダムにピックアップしたが、記事中にはもっときちんとした解説がある。

6月のニュースはこれ。

 

 

 ありがたいことに新しい薬がたくさんある。分子標的薬も増えているしホルモン療法の薬も選択肢が増えている。今のER陽性閉経前の初期治療は、TAM±閉経後AI  が一般的だと思うが、これもそのうち変わってくるのだろうか。
再発転移後の治療に関してだが、「フルベストラントは患者さんが感じる副作用が少なく、投与の間隔があきますから、できるだけ使う期間を長くできるといいと思います。先にAIを投与すると、細胞が低エストロゲン状態でストレス下に置かれ、ESR1の遺伝子変異などが起こります」と書かれていた。ESR1変異が起きると内分泌療法の耐性化とER変異につながるらしい。

この先、薬価が下がれば閉経後の初期治療もフルベストラントが主流になっていく??注射だから病院に外来患者が増えるから主流にはならない?初回、2週間後、4週間後、その後は4週ごとの筋注だけど、LH-RH Agonistみたく長く効果があるものが出てきたりしないのかな。
注射はイヤだけどAIの関節痛も怖い。

‥というのも、最近関節痛が増えている。以前は起き抜けや長い間座っていた後に立ち上がる際の足首が痛くてすっと歩き出せなかったのに加えて、ここ1か月くらいは股関節も痛む。動き続けていれば平気なのだが、30分くらい座っているとすっと立ち上がれない。車から降りるとき、会議が終わって立ち上がるとき。。この先、どんどん痛いところが増えていくと困るのだけど。


そのうちよくなるとか、次第に消えると思う、と言われたホルモン療法の副作用。
ぐらぐらするとかふわふわする浮遊性眩暈、意識が遠のく感じや目のかすみ・ちらつきは半年くらいで解消した。寝汗が酷かったのも解消した。でもホットフラッシュは改善しないし、足首が痛いのはちっとも改善していない。

タモキシフェン期間がまだまだ残っているので今から考えても仕方がないけれど、逆に(LEU期間の)5年間も続くのかと思うと気が重い。
消えてくれるといいなああ。