先週面白かった天狗の火渡り。
同じ積丹地区、隣町の古平町でも火祭りがあるとのことで行ってきた。
火渡りなのか、火祭りなのか、火くぐりなのか。火を渡るのは天狗なのか猿田彦なのか。情報があまりなく、謎多きお祭り。
当日はあいにく小雨のお天気。前回と同じく17時に出発、今回は場所の情報もあまりないので、とりあえず神社を目指して走る。
町が近くなってくると警備の準備をしている。車はどこに停めたらいいか聞いてみると、神社の隣の町役場の駐車場を使うようにとのこと。選挙の期日前投票場になっているのでもう停めるところがなかったが、中から出てきた人が投票場用の駐車スペースに停めていいと言うので停めさせてもらう。町役場がいっぱいに、なったら路地とか空き地に停めさせてもらえるようだった。
壁一面のウォルアート!
シャコタンブルーは見れないけれど、空と海が静かに広がる。
曇り空だけど降らなくて良かった。
神社の前を通って国道沿いに少し戻ると、猿田彦の一行が向かってきていた。
「古平の天狗は顔が大きく、威張って歩くのが特徴なのだ」と、近くにいた人が教えてくれる。
勢いよく歩き、
両手を振り上げて後ろ向きに歩き、
くるっと振り向いたりと、動きが激しい。
終始テンション高め。
お店や民家ではお酒とお米、振る舞いを用意して一行を待っている。そうした家の前で立ち止り、不敬がないかを確認し、獅子舞が店に入り順次厄を払いながら神社へ戻る。
途中、なにか見つけた様子。
扇で指し示された人にすごい勢いで向かってくる。
手を振り回して怒る猿田彦とそれをなだめて抑えるお付きの人。
ちょっとした寸劇だが、鬼気迫る雰囲気で圧倒される。
こちらでは獅子は猿田彦のお付きらしく、二頭の獅子を引き連れてまわる。
獅子の動きも激しい。
子供が操っているのだが、大人の獅子舞とは違う、キレッキレの動きがかっこいい!
古平の天狗は暴れ天狗なんだよ、とまた近くにいた地元の方が誇らしげに教えてくれる。自分の町の天狗がご自慢のようで、なんだかとっても微笑ましい。
途中、何件も寄りながら神社に猿田彦一行が到着する。
朝から1日中歩いて疲れたのか、両脇を抱えられてのご帰還。
境内に入ると、中心付近に座って準備を始める。全身にお付きが水をくまなく口で吹きかけ、身なりを整える。
いよいよ日も暮れてきた。
お囃子は軽トラから流れているのだが、ここはインドかタイかと錯覚する雰囲気。
カンナ屑に火がつけられる。
今回はちょうど火の真横から見たので距離が近く、顔も手も焼けるように熱い。
猿田彦が炎に対峙し、歩き廻る。
急にこちらへ向かってきた!
なにやら前に座っていた人に激昂している様子。大迫力!
いよいよ猿田彦が火を渡る。皆が固唾をのんで見守る。
頭から火に向かっていく。
炎が全身をつつみ、その焔の中から猿田彦が再び現れる!
2回目
背中に炎がまとわりついている。
3回目はさらに鉋屑がくべられ、炎が高く高く上がる中へ向かう。
三度の火渡りを終えると下駄の鼻緒が焼け焦げてしまったようだった。(下駄が燃えている!)やはりお付きに担がれて神社の奥へ向かっていく。
次は獅子。
炎の向こうから獅子が挑むように見つめる。
炎は生きているかのように獅子に向かってくる。
獅子の次は三基の御神輿。ここでは渡る前に担ぎ手が炎に拝礼。
どの御神輿も熱い炎を渡っていく。
何故か日中の写真がボケまくりで残念すぎるのだけど、炎の様子がすごく伝わる写真が撮れていた。加工なしでこれだけ撮れるなんてiPhoneってすごいー。
正面から撮っていた重装備の方たちの写真、かなりかっこいい写真が撮れていそう!
美国と古平、隣町同士で同じ天狗(猿田彦)の火渡りだが、随分と印象が違った。
古平の方が有名なのかと思っていたが、こちらの方が地元密着っぽい。
御神輿を担ぎに帰って来ている親戚を尊敬の眼差しで見つめている子供、久しぶりに会う地元の人同士の何気ない会話が漏れ聞こえてきて、地元の夏祭り感があってほのぼの。外国人観光客もほとんどいなかった。
ところで、ここ古平で火を渡っているのは「天狗」ではなく「猿田彦」だ。
幟にも「猿田彦之命」と書かれていた。
琴平神社例大祭(夏祭り)
実施日:毎年7月第二土曜日とその翌日
火渡り会場は一日目は琴平神社の西宮である恵比須神社、二日目はみどり公園。
(現地でポスターを見て知った)私が行ったのは一日目の恵比須神社。
恵比須神社:古平郡古平町大字浜町989番地
みどり公園:古平町新地町42-1
恵比須神社例大祭(秋祭り)
実施日:9月の第二土曜日と翌日、2019年は9月14日と15日。
町の東側の浜町のお祭として開催され、火渡り会場は恵比寿神社。
ここで気になったのが、「西宮である恵比須神社のお祭りが町の東側のお祭り」だということ。位置関係は恵比須神社の方が多少は東になるけど‥。琴平神社は国道をつくる際に移転したというので今とは違う位置にあったのだろうけれど、西宮が町の東側管轄というのはやっぱりよくわからない。
もしかして西宮って方角ではなく別の意味を持つ言葉なのだろうか。西宮神社(ニシノミヤジンジャ)は全国の恵比須社の総本社だというし、恵比須と西は関連がありそう。「西」は「恵比須」を指していて、方角ではないということ??
だとしても、「琴平神社の恵比須(=西)宮として恵比須神社を作った」というのも変な感じ‥。うーん、気になる。
琴平神社(コトヒラジンジャ)は金毘羅神社(コンピラジンジャ)と同音の漢字の書き換えなのだそう。金毘羅神社はインド仏教の 「クンビーラ」という海の神に由来し、航海や漁業にたずさわる人々の信仰を集めている。
恵比寿神社に祀られる「えびす」は、海の彼方から幸いをもたらす豊漁の神、ひいては商売繁盛の神。元は海岸に流れ着いた見慣れないものを「えびす」と呼んで、それを神からの贈り物としてまつる習慣が起源なのだそう。
「西」はさておき、どちらも漁業の町らしい神社だということ!
秋の恵比須神社例大祭の猿田彦。
髪の毛がオールバックだからか、また雰囲気が違う。
9月も見に行ってしまいそう。
この日は虫に刺された。それが強烈に痒いーー!虫除けスプレー必須!
普通の蚊ではないのか、刺された跡がはっきりわかるくらい穴が開き、周りが硬くなって腫れている‥。うっかり掻くとむしろ痛くなる。
よりによって患側の腕が刺されていた。リンパ浮腫予防に、虫刺されは避けた方がいいのだった‥反省。
夏は日頃から虫除けスプレー持って歩こう。