My life! after diagnosed with BC

色々気になる、タモキシフェンとCYP2D6問題

解決?と思ったCYP2D6のこと。

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気になって探してみると 原文があった。

CYP2D6 Genotype–Guided Tamoxifen Dosing in Hormone Receptor–Positive Metastatic Breast Cancer (TARGET-1): A Randomized, Open-Label, Phase II Study

このTARGET-1試験の中間報告がASCO2018で発表されていた。

CYP2D6遺伝子変異型のHR陽性転移・再発乳癌へのタモキシフェン増量投与で活性代謝物の血中レベルが向上【ASCO2018】


これを読むと、2012年の試験開始から中間発表までの間には「増量投与することの優位性を示すことが出来なかった」という風に書かれてはいるものの、

投与量を増加させた群は通常量の群よりも無増悪生存期間(PFS)が長い傾向があった。

・・って書いてある!
(とはいえ、レビューのニュアンスは編集者のさじ加減?)

でもでも、

6カ月PFS率は、増量群が68.1%、通常量群が66.7%、p=0.4525で有意な差はなかった。しかし、PFS中央値は、観察期間中央値22.9カ月で、増量群が14.2カ月、通常量群が11.7カ月

6ヶ月では有意差なしだけど、どちららの場合も中央値は10カ月以上。
ということは6ヶ月で評価することの意味って・・?

再発もしくはステージ4が対象という事で、LH-RH Agonist併用はアリだったようだけど、ケモでもAIでもなくTAM選択ということは、あまり病勢がなくゆっくり増えるタイプなのだろうと思う。
だとすると、6ヶ月だとまだ差が出ていないだけなのでは・・。
さらに、その中央値には差がついている。PFSで3ヶ月の差ってそこそこ大きいと思うのだけど。

 

「CYP2D6遺伝子多型をタモキシフェンの治療効果予測検査として調べることは推奨されるか?」という質問に対してのガイドラインの表記。

 

2016年のガイドライン

タモキシフェンの治療効果予測検査として調べることは,勧められない

2018年のガイドライン

一貫した研究結果が得られておらず,またCYP2D6の遺伝子多型には人種差もあること,アジア人を対象とした報告が少ないことなどから,タモキシフェンの治療効果を予測する十分な根拠はない

 

原文の結論は、

・遺伝子多型を持つ場合はタモキシフェンの投与量を増やしても6ヵ月間のPFS率は高くならなかった
・CYP2D6多型だけではTAMの効能に個人差があることを説明できない

という書き方(私が感じたニュアンス込みの訳だけど)なので、「=用量個別化は不要」というのもちょっとしっくりこない。
主要評価項目として6ヶ月でのPFS率としてしまったので「有意差なし」という結果になるけれど、副次評価項目の評価が気になるー。


ところで、そもそも20mgが標準投与量というのはどうやって決まったのだろう。
wild typeホモの場合には増量するとより効果があるという事はないのかな??

副作用に差はなかったというし、先発だとしてもTAMの価格は新しい薬に比べてかなり低い。
日本人には7割も遺伝子多型の人がいるのであれば、最初から全員40mg飲んでおけば、寛解率が上がるとかいう事はないのだろうか。
TAMの10年投与は「ジェネリックも多数普及しているためコストも十分にもあったものと考える」とされているし、薬代はそこまでかからない+再発転移が減少するなら結果的に医療費抑制にもなるので医療経済的にも負担は大きくない気がするのだけど・・。

他の薬剤で見かける、「(はっきりした基準はないけれど医師の裁量で)再発リスクが高いと考えられる場合は適時増量投与も可」とかにはならないのかなー。

でもやっぱり結論は、「用量個別化は不要」なのだろうか。
以前のように、私は20mgで大丈夫!?と不安になったりはしなくなった(そもそもSSRIとの競合が不安要因だったけれど、もうSSRIは飲んでいなから)けれど、興味としてやっぱり気になる!

ただ、「気になる」というのは心配の裏返しなのだとも言われていた。

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昨日からチューリップは一日でどんどん咲き進んでしまった。

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日の当たり具合なのか水上がり具合なのか、茎が曲がったり花の向きが変わったり、祭具合も含めて毎日印象が違って楽しい♡