二日目、午後の続き。
楽しみにしていた雲龍院。
まずは蓮華の間の色紙の窓。
誰もいなくて、一人でゆっくり好きなだけ座って眺めていられる。
見えるのは、左から椿・灯籠・楓・松。
季節柄、ちょっと色味が淋しい?
大輪の間には、庭を見ながら瞑想するスペースも。高野山で体験した阿字観瞑想。
一番広い部屋とのことで、ちらほら人はいるけれど静かで場所は十分ある。
石に足を乗せると‥冷たい。でもしばらく座って呼吸を味わうのは気持ちがいい。
広い庭はとても落ち着く。
水琴窟。
こちらは水が滴るので綺麗な音を聞きながらぼーっと座っていられる。
生けてある華も色味が抑えられていて雰囲気によくあう。
御台所にはわらじ履きで走る大黒天。福を担いで走ってきてくれるなんて嬉しい。
写真は不可なので、上の写真は別の部屋にあった掛け軸を記念に。
「走り大黒天」は黒くて水晶の目が鋭いし、打ち出の小槌も持っていない。もともとインドでは大黒天は戦いの神なのでその雰囲気が出ているのだとか。
雲龍院は坂の上だからかタクシーで来ている人も多く、運転手さんが大黒様の説明をしていた。黒くて歯をむき出しにして走ってくるので、怒っているように見える人と笑っているように見える人がいるのだそう。私には笑って走ってくるように見えた!
四角い「迷いの窓」と、
丸い「悟りの窓」。
「迷いの窓」は人生における苦しみ「生老病死四苦八苦」を、真円の「悟りの窓」は禅における悟りの境地を表していて、春には悟りの窓から紅梅が見えるのだそう。
入り口に生けてあった菊。スプレー菊や小菊だけでもこんなに素敵。
光明院に向かう途中には東福寺の臥雲橋を渡る。
もうずいぶん散ってしまって、枝が目立つ。
隣にいた方が先週までは赤い雲海のようだったとご両親に説明していた。
前に進むのも一苦労、というような混雑は皆無。人はあまりいないけれどまだキレイ。
一帯にずーーっと続く東福寺塔頭の中から、虹の苔寺と呼ばれる光明院へ。
波心の庭
「雲ハ嶺上ニ生ズルコトナク、月ハ波心ニ落ツルコト有リ」という禅語にちなんだ、羅月庵の窓。羅月庵には、窓・壁・障子に月を表す丸い円が描かれていて、波心庭から羅月庵を眺めると、東の空に月が昇る様なのだそう。
庭には降りられないけれど、羅月庵から波心庭を見ても月に見える!紅葉した木もちょうど収まって素敵♡♡
でも、本当は二本の曲線は山の稜線を表しているのだそう。
苔の濃淡も美しい。
静かで、とてもとてもいいところだった。
御朱印は「今日は書き置きのみなんです」と言われて残念、と思ったところに、通りかかった住職が「いいですよ」と直接書いてくださった。こういう出逢いってうれしい
この2ヶ所、私も含めて写真を撮る人はもちろんいるのだけれど、映えの写真に夢中で場所を占領するような人はいなくて、落ち着いて静かにそれぞれの時間をゆったりと過ごしていた。
特に光明院は、あとから用意した余計なものは一切なく、外と隔絶されたような独特の空気感をあるがままに感じる為の場所のようだった。