前回、予想通り(?)忘れられていた、遺伝カウンセラーさんとの面談。
次回診察の時にする?とも言われたけれど、やっぱり気になるので年内にすっきりしたかった。
ので、改めて予約を取ってもらって行ってきた。
主治医は「検査するならそのまま採血しちゃえばいいしー」と言っていたけれど、まだ気持ちはぐらぐら。全然ココロがきまっていない。
でももし今回検査したら結果を聞くだろうし、さらにその結果次第では全然今年最後にならない可能性大‥。
(まさか婦人科検診のように封書で届くなんてことはないと思いたい)
前日に聞きたいことを整理していたら、OP前に悩んでいた時のことを思い出してしまったり、入院中のことや治療に悩んでいたことなどを思い出してしまってどんより。。
美味しいランチでちょっと気晴らししてから、
13時の予約にあわせて病院へ戻る。
いつもの外来にファイルを出してしばし待つと、待合を見回しているカウンセラーさんに呼ばれる。
この方、以前に待合で話しかけてきた人と一緒・・なのかな??(顔、忘れている)
奥の方の診察室(?)に通される。
仕事で顔を覚えていない人と探り探り話す感じでまずは挨拶。
1年前にお会いして以来ですか?と尋ねられたので、前回待合で声をかけてくれた人なのだと知る。よかったー。
「保険適用になってから、可能性がありそうな人で保険で受けられる人をピックアップして声をかけているのだけど‥去年以来って、なんで漏れたんだろう‥」と独り言(?)が聞こえる。え、漏れた??
出だしから思いっきり不安になったけれど、声をかけられなかった理由は
① 4月はコロナで受診していない
② 7月は婦人科に行ったりでバタバタだった
③ 10月は出張でいなかったから
・・と、ある程度理由があったことが判明。よかったー。
家族歴の補足を伝えて、検査の概要を表裏のA4用紙2枚、計4枚分の資料で説明してもらう。
質問は長いので別枠で覚書。
ひとしきり疑問点を確認させてもらった後、検査を受けるかどうかの話から、
「もし陽性の場合、卵巣は切除しても今と変わりなさそうだし、怖すぎるから多分予防切除すると思う。でも対側は決心がつかない。手術はもう嫌。でも発症するのも嫌。どっちも嫌、はただのわがままだとはわかっているけれど、どっちも受け入れがたい。だったら知らない方がいいのかも、とも思う。
卵巣は「知りたい」、でも乳腺は「知りたくない(かも)」でぐらぐらしている」
‥というような、検査に踏み切れない理由を思いつくままにぽつぽつと話しているうちに、告知から手術後までのこと、病理の結果が出るまでの不安と恐怖を思い出す。
そして突然涙が出る。
更にその後、もし陽性だった場合にどの程度身内に話すのがお勧めかを聞いているうちに、HBOCの患者会を紹介される。
拒否感とともに、また涙が出る。
「イヤな言い方だけど自分が当事者だと思いたくない」と言うと、「遺伝子変異と言っても‥」と説明してくれた。
でも、当事者になりたくないのは、病気になった原因ではなく、理由はどうあれ病気になった自分。
「イヤなのはHBOCということではなくて、理由はどうでも自分が病気であること自体。どうしても自分のこととして受け入れられない」というようなことを言ってしまう。
大人げないのはわかっているし、もう4年も経つのにまた泣いてしまった。あーあ。
「緩和ケアは受診しているんですよね、話は聞いてもらっていますか?」と尋ねられてしまう‥。
「いえ、緩和ケアではほとんど話はしないです」と伝えると、え?と驚いた様子。
「薬が出ていた時は先生に症状のことは話しましたけど。15分までと紙が貼ってあるし、心理士さんとは会ったことがないからかもしれないですねー」と半分冗談で言ったのに、「うーん、そこまで深刻だと思われていないのかも?」とカルテを確認しながら言われる。
反射的に「いや、私も深刻だと思っていなくてー」とヘラヘラ言ったものの、「今でもここで泣くってことは深刻ってことなんですかね‥」と素で自問自答してしまう。
「検査を受けて陽性だった時、またメンタル調子悪くなるかも、というのもちょっと心配で。薬は眠かったりぼんやりしたりで仕事にも影響があったのでもう飲みたくないんです」と言うと、「薬以外の対処方法もありますから」という。えー、そんな選択肢は全く示されなかったけれど。別の対処もあったの?
確かにカウンセリングとか認知療法とかは一切なしで投薬のみだったけれど、TAM由来と言っていたし、ここの病院はそういうものなのだと思っていた。
今日の面談内容って、緩和ケアに報告行くのかなあ..。
延々とお話しさせてもらって、最後に「今までの話を全部聞いたうえで、私に検査を勧めますか?」と聞いてみると、即答で「はい」だった。
陽性かも、という不安から解消されること、もし陽性だったとしてもそれが分かることで適切な対処法を考えられること。前向きな検査ですから、ときっぱり。
検査で救える(かもしれない)命ってことだよね。。
今まで検査を勧めた人で実際に検査した人はどのくらいいるか聞いてみると約60%、そのうち陽性だった人は2%くらい。今日は130人くらい受診者がいるのでこのうち4-5人は陽性という感じですね、とのこと。
今日の受診者が130人もいるのもびっくりだけど、陽性の人もけっこうたくさんいるんだなぁ‥。
結局予定通り、「次回1月の受診の時まで悩みます」と伝えて終了。
お礼を言って立ち上がろうとすると、「先生に会っていきますか?」と聞かれる。
え、それ必要?と戸惑ったけれど「今日は先生の予約なので」ということなので、挨拶だけしていきますと一旦待合へ戻る。
以前、金曜に受診したいなーと言った時に「金曜はとても混んでいるし、地方の人優先」と言われたけれど、この日は130人以上の受診者がいると聞いて納得。
あーまた待つのか‥と思ったけれど、予想外にすぐ呼ばれる。
いつもとは違うちょっと広い部屋のドアを開けると「話聞いた?今日は受けないんだって?」と開口一番に言われる。やっぱり今日採血すると思っていたよう。
立ったまま話すと高い位置から話すことになって嫌がられるので、勧められてもいないけれど勝手に座る。
「今日は決めきれなかったので次回1月に決心がついたらお願いします、その時は事前に連絡すればいい?」と確認。
事前に電話してくれれば採血の時に一緒に採ってもらうから、ということで次回のエコーや診察の時間調整をして終了。
2時間弱もお話しさせてもらって、このお会計。
なんだか申し訳ない気分。。
なんにせよ、今年最後の通院終了!
普段は目をそらし続けているけれど、やっぱり病気のことと向き合おうとすると、今でも情緒不安定になってしまうようだった。
自分でも情けないけれど、どうにもできない。
どれだけ主治医が左右差ないね、いい感じだねと言ってくれても、いくら友人が全然わからないよと言ってくれても、傷跡も左右非対称なことも触り心地があからさまに違うことも手術したことも病気になったこともどれも気にならないよ、と言ってもらっても、私自身が不完全になった自分のカラダを受け入れられない。自分のカラダが空っぽになってしまったようで、自分のものじゃないように感じる。
生活はほとんど変わっていないのに、色々なことが両手からこぼれ落ちてしまって、何も残っていない気分になる。
どうしたら受け入れられるのだろうと、もう何度考えたかわからない、答えが見えないことをぼんやりと思う。