My life! after diagnosed with BC

リコールから1ヶ月、インプラント再建どうなっているの

 

アラガン社のTEとインプラントのリコールから1カ月。

乳房オンコプラスチックサージャリ―学会・形成外科学会・乳癌学会・美容外科学会から連名の案内が増えていた。

一般社団法人日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会


状況は随時変わっていくと思うけれど、1か月後の状況。

既に再建済みの人向け案内要約:
・ナトレル410,110,115,120は健康保険で認可されている乳房再建用に流通している唯一のインプラント
・これは表面がテクスチャードタイプというざらざらしたBiocellという構造
・これはBIA-ALCLというリンパ腫のリスクとなる
・世界的にはこのインプラントが入っている人の3,300人に一人に発症する
・3,300人に1人とは0.03%
・リンパ腫はインプラントを入れてから平均9年で発症
・初期症状はインプラント周辺に液体が溜まり大きく腫れる
・発症してもインプラント抜去と周辺組織の切除で治癒する場合が多い
FDAEU、カナダでも予防的な抜去は推奨されていない
・推奨しない理由は発症リスクが0.03%で低く、手術に伴うリスクの方が高くなるため
・腫れやしこりがないかのセルフチェックを推奨
・日本では2年に一度の画像検査を最低10年間の定期的な診察を推奨としている
・目的はインプラント破損や合併症の発見のため
インプラントの破損は10年で10人に一人の確率で起きる(10%)
・BIA-ALCLは早期発見が重要
10年以後もセルフチェックと定期検診の継続(延長)、異常時は随時受診を推奨

→そもそものBIA-ALCLの発症リスクが低いので抜去は不要、ただし万が一の際の早期発見の為にセルフチェックと定期検診を継続


乳房再建を希望している人向け案内要約:

・現在、健康保険でのインプラント再建用に承認されているのはアラガン社のTEとインプラントのみ
・2019年7月24日のFDAの指導で全世界で自主回収となり日本でも使用は不可となった
・現時点で日本で健康保険で使えるインプラントは他にはない
・アラガンのテクスチャードタイプは他社のテクスチャードタイプの6倍の発症リスク

今後の再建に関しての選択肢:
・二次再建にする(乳がん手術のみ行い、再建は別に行う)
・温存が可能であれば術式変更を検討する
・TEを使わない一期の自家再建をする
・二期再建をするのであればKOKEN、PMTのスムースタイプTEを使う
→ただし、乳房再建専用ではない&保険適用外&入手困難
・10月以降にアラガンのスムースタイプ・ナトレル10、40シリーズが再販となる
→ただし、ラウンド型
→ただし、破損や被膜硬縮のリスクが高まる
・(推奨しないが)未承認のテクスチャードのTE&インプラントで自費診療で再建
→世界的にはミクロテクスチャード・スムースのTEやインプラントがある
※こういうの‥?The Matrix

 

‥現状、保険でできるインプラント再建は空白のよう。
再販されるアラガンのスムースタイプはインプラントの形状による左右差や、被膜硬縮を考えると現実的でない印象。
KOKENとPMTは供給が追い付かないのか、入手が難しいという。この先、いつ・どこの物が承認されるのだろう。

KOKENは日本の医療用シリコンの代表的なメーカーだし、日本人向けの安全な製品を期待したいけれど供給量が難しいのだろうか。
製品一覧 : 株式会社 高研

PMTはアメリカの会社で、日本では欧和通商が販売しているよう。
PMT ティッシュ」・エキスパンダー.pdf

乳房用ではないという事で、ラウンド・ティアドロップは各3種類しかない。
注入量もラウンドが350/600/1000ml、ティアドロップが450/700/1000mlと細かい調整は難しそう‥?

個人のクリニックだと、自費診療含めて、ある程度柔軟に対応するのかもしれないが、がん診療連携拠点病院とか診療連携拠点病院とかだとそれも難しそう。

‥と思ったら、某著名クリニックで、切除と同時に一期再建を受ける場合は無償でマイクロテクスチャードのアナトミカインプラントを提供するというリリースが。
ここはTEを使わない一期一次再建をしていると以前見かけた気がするので、TEの提供ではなくインプラントの提供なのだろうか。

実際の金額は判らないが、保険適用になる前の話では片側50万~100万程度と聞いた。
無償と言われると、ふらふら~とそこでの手術を選んでしまいそうになるかも。
でも、今回の事の様な事があるとはいえ、国の審査を通ったものではない。
それは信頼できるのだろうか、もしも何かあった時に納得できるのか、その選択肢が最善なのか、今の選択に後悔しないのか。
今まで以上にたくさん悩まなくてはならないのだろう。
いつでも、治療が何より一番大切。

でも、治療が第一なのは頭ではわかっていても、一次再建に拘った自分を思い出す。

病気であることが分かっただけでも辛いのに更に辛い思いを重ねなくてはならない。
せめて胸を失う辛さを少しでも軽減できるように、とにかく早く後継品の承認が進んでほしい。