My life! after diagnosed with BC

遺伝子パネル検査保険適用!

遺伝子パネル検査が6月1日より保険適用となる。
パネル検査の償還価格は56万円、対象は標準治療で結果が出なかった固形がんの患者。

がんの原因となる遺伝子を特定して効果が期待できる薬を選択するために、次世代シーケンサーで100-300個のがん関連遺伝子をスポットで解析して変異の有無を調べる。変異があれば、その変異に特異的に効果が期待できる薬があるかもしれない。
かもしれない、の「かも」は現状かなり低い確率で、国立がん研究センター中央病院臨床試験では、パネル検査を受けた患者187人のうち効果が見込める可能性がある薬が見つかったのは25人で13%。変異が見つかっても薬がないことも多々あり、薬が見つかっても副作用で治療の継続が難しくなることもあるのだそう。

パネル検査で調べる遺伝子は100-300個と全体のごく一部なので、将来的に治療の選択肢を増やし、新薬の開発を進めるためにもっと多くの新たながん関連遺伝子などを見つける必要がある。ありがたいことに国は「限られた遺伝情報だけでは創薬に不十分」なので、3年間で10万人を目標に患者の遺伝情報を網羅する、全ゲノム解析を推進するための予算を盛り込むよう調整してくれているという。
ゲノム解析は、パネル検査の際に採取した患者の細胞で(同意を得て)全ゲノム解析を実施し、得られた情報を国立がん研究センターの「がんゲノム情報管理センター」に集約する。初期投資や解析費用の概算は5年間で550億円、解析は公費で実施予定。
この解析結果で、パネル検査とは別の有意義な解析結果が出た場合は患者にバックしてもらえるのだろうか。匿名化して解析するだろうから、自身の治療に役立てるというよりは将来のがん治療のためという事になるのだろうか。

パネル検査の検査・分析・人材育成・研究開発のための「中核拠点病院」は9都道府県に11施設が指定済み。実際の患者との窓口となる「連携病院」は全都道府県に156施設指定されている。
実際には遺伝子解析は外部委託がほとんどで、中核拠点病院でその結果を検討して治療方針を提示し、連携病院が患者の治療を担当する‥という感じになるのだそう。

現状でも結果が患者の手元に届くまでは3~4週間かかり、標準治療の効果がなくなった状態での1カ月は長い上に、対象患者は「当面は年数千~1万人程度」と見込まれ、拠点病院が足りなくなると予想される。そのため、9月に追加で30施設程度を新設し、それによって年2万人程度の患者受け入れが可能な体制が整う予定。

また、パネル検査では家族性のがん関連遺伝子が10個程度含まれていて、家族も遺伝性のがんを発症する遺伝子を持っていることを発見してしまう。
それにより、患者だけではなくその血縁者も結婚や就職、民間の生命保険や医療保険に加入する際に遺伝差別を受けることがないよう、超党派で国会提出を目指す「ゲノム医療推進法案」中に、個人情報の保護や遺伝差別の防止規定を盛り込むことが検討されている。

命はお金では計れないが、標準治療が残っている段階では高額で不要な検査とされる。もちろん検査費用は高額で感謝の気持ちを持って受けるべきだが、でも、もっともっと遺伝情報とリンクした薬が増えれば、現在の標準治療で「効果がある人が多いから」とうける殺細胞の抗がん剤は不要(または縮小)になり、「私に効果的」な治療のみを受けることで薬剤費用も削減できる日が来るのかもしれない。
抗がん剤の売上額は右肩上がりで過去最高を更新し続け、2018年も前年比9・6%増、1兆2001億円なのだそうだが、より効果的な抗がん剤だけ選ぶことが出来るようにならなのかなあ。

10年以上前から、将来の医療の姿としてオーダーメイド医療(今は違う呼び方?)が語られていた。でも、一向に進展がなく、先が長く夢物語のようで、実現するのはいつになるのだろうと思っていたが、少し見えてきた気がする。

 

この時期毎年恒例の仕事を終えた後はみんなでお昼を食べる。
今年はカレー♡

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スパイスざらざら、生姜と玉ねぎがたっぷりでさらっとスパイシー。
来年もどこかでみんなでおいしく食べられますように。