My life! after diagnosed with BC

マイナス思考から抜けられない時には‥

 

東京学芸大学の保健センター便りに書いてあった、毎日をより快適に過ごすコツ。

人は日々経験したことに対して、その出来事をどう認識(認知)するかによってどんな感情を抱き、どんな行動を取るかが決まってくるが、その認識は人によってくせがあるので、それを微修正することで感情や行動が変化するのだそう。
負の認知(考え方のくせ)を修正すると感情や行動がプラスになり、どうせ‥とかやっぱり‥といった考え方のくせを直すと楽になれるということらしい。 

①環境に働きかけて環境を変える(alloplastic)
②自分自身を振り返って自分を変える(autoplasitic)

①は自分ですぐに変えるのが難しいことが多いので、②の方が効率的で、そのやり方の一つが行動認知療法なのだそう。

よくある認識のくせ(=認知の歪み)とその修正のポイント例:

① 完璧主義
目標が高いほど未達成が残るので、結果に満足できなくなる
→完璧を追求するより、ほどほどの成果を安定して出す方が有利である

② 過剰な責任感
「‥であるべきだ」「‥でなければならない」と過剰に思い込むとミスが許せなくなり、過剰な責任感をベースにして評価すると他人や自分を責めることが多くなる。
→自分にも他人にも肯定的に、寛容に

③ マイナス思考の習慣化
日常生活の多くをマイナスに評価し、ますますマイナス思考が強化されるという負のスパイラル。
→結論を急がず、別の見方はないか・肯定的な観点を加味して多面的に評価する

マイナス思考になつながる要因:
・レッテルを貼る:自分や他人に否定的なレッテルを貼り、一言で結論づける
・極端な一般化:少数の出来事で判断して、全てがそうだと決めつける
・独断的結論:出来事の意味を独断的に結論づける
・選択的抽出:一つのものの見方に沿った事柄だけに目を向ける  
・拡大視と縮小視:思い込みに沿ったことは大きく、沿わないことは小さく考える
・肯定的な面の否定や割引き:自分の成功体験や長所を無視し、過小評価する

④ 悲観的な予測
大きすぎるずっと先の目標の答えを見つけるのは大変、どうせ‥とか、やっぱり‥となったり、未来像が描けなくなる。
→日常に小さな目標を立て、それを実現する事を繰り返す

 

‥心当たりがある。
最近は仕事のプレッシャーもないし、ゆるーく生活しているのであまりないけれど罹患前の自分を思い出すと、①②③の一部はしっかりあてはまる。特に②。
自分で自分を追い込んで、苦しく息苦しくなっていたのかも。


そんな認知の歪みを微調整するための行動認知療法の基本的なやり方:
ネガティブな出来事に対して2-3通りの解釈(認知モデル)を考え、それぞれに対して、妥当性を検証する。

1. そう考える根拠は?(根拠となる事実、逆の事実を探す)‥本当に?なんで?
2. 本当にそうならどうなるのか?(結果について考える)‥じゃあどうなる?
3. 他の見方はないか?(代わりの考えを探す)‥違う見方をすると?
4. どの見方が私の役に立つか?(元気が出る考えを選ぶ)‥どれが一番Happyか?

正解はどれでもないので、一番自分にの役立ちそうな解釈を選べばよいのだそう。

2-3通り考えるのは大変そうだが、通常一つの出来事に対して7通りくらいの解釈は可能なそうなので、そのうちの2-3通り。思いつかない時は人に聞いてもOK。最初は書き出すと整理しやすいが、慣れると頭の中ですぐできるようになるのだそう。

マインドフルネスとか、ジャッジしないで現実をそのままあるがままに受け止めるということなので途中までは近いのだろうか。

ネガティブな思い込みで物事を判断しない。
そのうえで自分が一番心地よいことを選ぶ。自分にやさしく。


認知行動療法がんの緩和ケアの手法としても用いられているそう。

認知行動療法とは、つらい気分や不安を生み出す「考え方のクセ」や「思いこみ」を見直して、もっとやわらかい考え方を育み、厳しい現実のなかでも希望や可能性を見いだすことでつらい気分を和らげる方法です。


 日本認知療法・認知行動療法学会のHPの説明。(一部抜粋)

認知療法においては,常識(コモンセンスcommon sense)的な視点が強調され,患者は健康な状態のときに人々が日常の中で用いる方法や技能を,治療の過程で再び学習することとなります
誰しも自分の考えは正しいと思いがちです.うつ病や不安症にある患者も例外ではありません.
彼らは健康なときに比べ,状況を多面的に解釈することが困難になっています

これ、術後しばらくの私はまさにこんな状態だった。

普通に考えればそんなにネガティブにならなくてもいいのに、マイナスのイメージや考えが止まられない。

自分を過小評価することが止められず、そんな自分が情けなくなり、不要な存在と先が見えない状態から抜け出せなくなる。

「常識」で考えれば、私の周りの人はそんなにひどいことを思ったりしないとわかっているのに、自分は周りに迷惑をかけている価値のない存在なのだ、むしろいないほうがいいのだ、と思うのを止めることが出来なかった。
そこまで自分を卑下する理由はないし、周りの言葉をその通り素直に受け止めればいいのだと頭ではわかっているのに、何故かプラスの面を見ることが出来なかった。
自分でも、何かおかしいと思いつつもマイナス思考から抜けられなかった。
これが精神的に健康な時とは違うという事なのだろう。

気持ちを安定させる働きのあるエストロゲンの分泌を、リュープリン(最初はZOLだったが)で人工的にゼロにしたことで、セロトニンノルアドレナリンなどの神経伝達物質代謝や合成がうまくいかなくなるので感情のコントロールが難しくなり、セロトニンが減って不安や落ち込みが強くなり、ノルアドレナリンが減って意欲や気力が低下するという状態だったのだろうか。

E2陽性である以上エストロゲンを増やすことはできないので、レクサプロやジェイゾロフトなどのSSRI神経伝達物質、主にセロトニンを整えることでもちなおした。ジェイゾロフトドーパミンもわずかに増やし、過眠や気力の低下も調整する。
薬による人口更年期が原因だったからか、私は投薬以外の選択肢は出ても来なかったが、こうした薬のほか休養・運動療法・光療法などいろいろある中で、行動認知療法の組み合わせも有効なのだそう。
そういえば会社を一定期間休んでジム通いしている知人がいたなあ。
私のジム通いも、気分向上に役立っているといいのだけど。


今はジェイゾロフトのおかげか持ち直したからか、すっかり元通りだけど、もしまた負のスパイラルに落ちた時には、まずはセルフ認知行動療法を試してみようと思う。

「療法」と聞くとなんだか重たいが、カリカリ・キリキリ・イライラしない、穏やかな考え方で楽になることが自然にできるようになりたい。

 ぼやっとしていて気が利かないとかぐずっと遅いとか仕事ができないとかと、穏やかなのは違うのだとようやく(!)わかってきた気がする。

分かっただけで、そうなれるまではまだまだ道のりは遠いのだけど、心穏やかに争わずに楽な気持ちで生活したい。