My life! after diagnosed with BC

HBOCとMRIとスクリーニング


米国癌協会(ACSガイドラインでは、2007年から乳がんのハイリスク女性に対してはマンモ+MRIのスクリーニング検査が推奨になっている。
ハイリスクの定義というか、年1回のマンモグラフィーと乳房MRI検査を受けることが推奨される要件。

・BRCA遺伝子の変異を持つ人
・BRCA遺伝子変異の第一度近親者であるが検査を受けていない人
・BRCAPROなどの遺伝子変異予測ツールで乳癌の生涯発症リスクが20~25%かそれ以上高いとされる人

BRCA遺伝子は乳がんのうち5-10%が遺伝的要因で発症するとされ、そのなかでも一番多いHBOC(Hereditary Breast and/or Ovarian Cancer Syndrome:遺伝性乳癌・卵巣癌症候群)の原因遺伝子となり、BRCA1/2に変異があると乳がん卵巣がんの発症リスクとなる。


遺伝子検査をしていなくて変異の有無を知らない人の方が多いと思うが、その場合自分がハイリスクかどうかはどう知るのだろうと気になったが、遺伝子変異予測ツールがあるらしい。

ASK2ME™ - All Syndromes Known to Man Evaluator™

BRCAPROを検索してみると、他の悪性疾患罹患時の情報などの家族歴の情報を元に確率を算出するらしい。英語だし家族歴の詳細はあいまいなのでちょっと難しそう。。

一緒に検索で引っかかってくるBRCA変異スクリーニングに、Myriad tableというのもあった。これは乳がん卵巣がんに関する患者と家族歴からチャート式に遺伝子変異の保有確率が出る。家族歴といってもかなりざっくりした内容。

https://s3.amazonaws.com/myriad-library/brac/brca-prevalence-tables.pdf

簡易スクリーニングなイメージだが、Myriad tableで20%以上→遺伝カウンセリング→詳細な家系情報を確認→BRCAPROを使用したリスク評価が勧められていた。
BRCAPROでハイスコアでも遺伝子検査では低く出ることもあるが、遺伝子検査でハイスコアの人はBRCAPROでもハイスコアになる確率がかなり高いという日本人でのデータもあるそう。
この表では若年の定義が50歳未満だったり、TNBCかどうかは考慮されていなかったりで、私が思っていたイメージとは結構異なっていた。今でもこの表でスクリーニングするのだろうか。

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私が読んだのは少し古そうなので最新ではないのかもしれないが、別の論文でも20%がCut offとされていたので遺伝子検査やその前に実施するカウンセリングを検討するべきかどうかの目安にはなるのかも。

私はこのMyriad tableでは20%以上となってしまう。
でも遺伝を心配する母に主治医はその可能性は低いと思うけれど気になるなら受けてもいいけど‥というような答えだった。当時は主にTNBCとかもっと若い場合とか男性乳がん卵巣がんがなければあまり気にいなくていいので私は違う!と思っていたが、いろいろな情報を目にしているとどうもそうでもなさそうな気もしてきている。

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology, Genetic/Familial High-Risk Assessment: Breast and Ovarian, version 2, 2017という、遺伝性腫瘍のための臨床ガイドラインがある。これは、遺伝性腫瘍である可能性の高い人をピックアップして、遺伝的評価を行い、その病気に特化した医療を提供することを目的としている。このガイドラインでの最初のステップはハイリスクの人を選ぶ事となっている。

既に発症している場合の一部を抜粋すると、ざっくり次のような人たちが候補となる。

・若年性乳がん
卵巣がん
・60歳以下のTNBC
・男性乳がん
・50歳以下の乳がん卵巣がん・膵がんの家族歴、他の特定悪性腫瘍の既往歴、3種以上の特定悪性腫瘍の家族歴

これに当てはまると次はHBOCのリスク評価。(いろいろある中の一部のみ抜粋)

 

・45歳以下で診断された
・2つ以上の原発の場合は初発が50歳以下
・50歳以下で診断されて乳がん・膵がん・前立腺がんの家族歴がある
・60歳以下で診断されたTNBC
・50歳以下の乳がん・2人以上の乳がん卵巣がん・膵がんか前立腺がんいずれか2人以上・男性乳がんの家族歴

・・・該当している。

実際に遺伝子検査をして、変異がある場合は発症リスクが高いことになるので、NCCNガイドラインではHBOCのための医学的管理という項目がある。
またほんの一部のみ抜粋。

・25-29歳は、年に1回の乳房MRIMRIが利用できないときはマンモ)
・75歳までは、年に1回の乳房MRIとマンモ
乳がん治療後の残存乳腺組織は、年に1回の乳房MRIとマンモを継続

でもこれは日本のガイドラインではないので参考どまり。
事前のリスク評価ではどれも当てはまってしまうのでなんとなく不安になる。でも、この内容だと45歳以下とか、60歳以下のTNBCとか、かなりたくさんの人が含まれることになるので、あまり神経質にならなくてもいいのかも、という気もする。。

子どももいないし姉妹もいないので、変異の有無が判ったとしても今のところあまりメリットがなさそうなので遺伝子検査はするつもりはなかった。でも対側のこととか新規の発生のことを考えると、(MRIが必要かはわからないけれど)乳腺の日々の検査は過不足なく受けたいと思っている。

エコーは半年に1回と言っていたのに、半年に一度の血液検査(生化学とマーカー)、年1回のエコーとマンモと割とミニマムな感じになったので不安になったのかも?

気になる事や希望はとりあえず伝えてみることにしているので、来年受診時に半年に1回エコーしたいとお願いしてみようかなー。