My life! after diagnosed with BC

2018年版 乳癌診療ガイドラインが気になる

2011年、2013年、2015年と2年に1度の改定だと思っていたが、前回2015年から改定されていなかった乳癌診療ガイドライン。これといった変更点がないからなのか?と思っていたが、編集作業が遅れていただけで2018年に改定された(される?)らしい。
この2018年の改定版の作成委員会委員長の先生のインタビュー記事があった。

新しいガイドラインの大きな特徴は、その治療法を強く推進するのかどうなのかを最終的に決定する会議の場に、従来の医師だけという形ではなく、患者さん、看護師、薬剤師といった方々も参加するという点です。

患者さん1人1人にとって、置かれている状況や考え方、重要視する点が異なります。そのため、実際の乳がん患者さんの意見も考慮し、その治療法が持つすべての面(効果・副作用・費用など)を提示し、総合的に評価したうえで、強く推奨するのか、しないのかを決定します。
そうすることで、エビデンスの評価が高いという理由で医師が一方的に治療方法を決定するのではなく、Shared decision making(シェアード・ディシジョン・メイキング)という言葉の通り、患者さんと医師とが二人三脚で治療を決定する材料としての活用が可能となるのです。
https://medicalnote.jp/contents/171012-009-QU

エビデンスだけではなく、リスクや金銭面、患者の価値観に応じて治療を選択することができるようになるということ?

3年ぶりの全面改訂!新推奨方式を採用し医師と患者のShared Decision Makingを実現、臨床議題をバックグラウンドクエスチョン(BQ)・クリニカルクエスチョン(CQ)・フューチャーリサーチクエスチョン(RQ)に分類し、それぞれの科学的根拠、益と害のバランス、患者の希望の一貫性、経済的視点などを踏まえて最新の診療指針を示した。
http://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307203876

書籍版のセールスポイント。簡潔にいうとこう纏まるらしい。推奨優先度は、エビデンスが絶対ではなくなるということか。選択の幅が広がれば広がるほど患者も学ばなくてはならないし判断力が必要になる。

実際にこのガイドラインをもとに患者と医師が話し合って治療法を決めるということはどれだけあるのだろう、どう変わっていくのだろう。
患者の意見も取り入れられると聞くといいように聞こえるが、自分の希望をしっかりともち、自分の状況を正しく理解し、しっかりと判断し、自分の選択に責任を持たなくてはならなくなるということ。その準備と覚悟は私にあるのだろうか。

とっても中身が気になるので読みたいが、Web版はまだ2015年度版のままだった。学会後には改定されるといいなあ。(患者向けの平易バージョン、「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」は2019年に改定だそう)

日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン


今週開催される第26回日本乳癌学会学術総会でも「乳癌診療ガイドライン改訂のポイント」として2時間以上の枠が用意されている。
学会長の先生の挨拶中にも「治療の強度や期間をescalation, de-escalationする個別化医療、Precision Medicineが実地臨床に入ってきました」とある。現場の裁量権が大きくなるということだろうか。たとえばLH-RH Agonistの期間。少し前まで2年とか3年で終わるようだったので主治医に期間を聞いてみたところ「今は適用ある人は5年なんだよね」とバッサリだったが、2年で止めたいとか5年続けたいとか自分で選択するようになるのだろうか。TAM+AIにするかとか、TAM延長とか、5年で止めるとかとかもこの先考えていかなくてはならなくなるのかなぁ。 ますます施設・医師の選択が重要になっていくような感じがする。

主治医の発表が気になったので検索したところ、前回に引き続きトリネガに関する内容で私にはあてはまらない発表だった。他にも入院時にお世話になった先生や看護師の発表内容もちらっとみれてそちらの方は興味深かった。当日の講演のWeb発信があるとのことだったので聞けるのかな?と期待したがそれは無理だった。残念。
16日の招待講演4.「Trends in adjuvant hormone therapy for ER+/HER2-primary breast cancer」とかシンポジウム4.「ER陽性HER2陰性原発性乳癌の治療最適化」とか17日のパネルディスカッション3.「センチネルリンパ節生検の今後に向けた取り組み」とかも聞きたい。‥といっても気軽に行けるものでもないのでせめて抄録でも読んでおこう。