My life! after diagnosed with BC

AYA世代って結局??

AYAとはAdolescent and Young Adultの略で思春期・若年成人のこと。
この病気になってはじめて知った言葉だ。今までもきっと目にしてはいたのだと思うが気に留めていなかったのだろう。
対象年齢は下は15歳からでおおよそ一律だが、上は40歳未満とか30歳未満とか30歳前後とか30歳半ばとか30歳代とかでばらばらだ。
疫学的にこの範囲はこうした特性がある、ということであれば多少は納得するのだが、こんなにばらばらということは、なにをもって若年成人と呼ぶのだろう。なぜそこにこだわるかというと、がんにかかった人たちがかかえる悩みは年代にかかわらずある程度共通だと思うが、「AYA世代にがんになると、進学や就職、結婚、出産などのライフイベントが多数あり、将来に関しての悩みが多い」というようなことが声高にあちこちでうたわれているから。

 

「AYA世代のがん対策に関する政策提言」http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai.../0000138588.pdf


ここにかかれている現状(P5,7,9,11)に違和感を感じるのは私だけ?進学・就学は確かにその年代独自の悩みだと思うが、妊孕性は不妊治療助成の年齢とバランスが悪いのが気になるし、就労・経済的問題・療養環境・自己管理・遺伝について・ピアサポートなどはAYA世代だからの特別な問題だとは思えない。この年代に当てはまらない人たちにとっても人生の節目はあるはず。
たとえば新規就労は20代ならではの問題もあるだろうが、健康に問題がなくても30代での転職が難しい今、40代以降で再就職するのはかなりのハードルだろう。療養環境も、未婚であれば親が高齢化する50代以降の自宅療養は難しくなるだろうし、遺伝に関する悩みは既に子供y孫がいる、もしくはこれから子供を持ちたいと思っている多くの人が該当するはず。ピアサポートに関しても、若い母親のための支援や患者会はよく目にするが、子供がいない人やフルタイムで働く人への補助はむしろ足りないと思う。若年者向けのイベントや患者会も平日昼間であれば結局は主婦向けで、就労者には縁がない。  

同じ年齢であっても、自立の度合い、家庭環境、就学・就労・経済的状況、ライフプランには個人差があるため、具体的な対応において、上記の分類によって画一的な対応をすることは望ましくない。
第30回がん対策推進協議会資6料より

当然だよね。AYA世代だからの特別な悩みではないと思う。34歳なら遺伝に心配があって35歳なら不安がないとはならないし、32歳でも40歳でも50歳でも就労や経済問題には常に悩みが付きまとうだろう。20代もしくは30代までは外見に気を使うが、40代以上の患者にとっては、外見の変化は問題ではないとでも思っているのだろうか。。

と思っていたらこの報道。

AYA世代専用病棟の開設
経済的自立が未確立であり、自分らしさを求めると同時に孤独を感じやすいなど心理的問題が生じやすい時期でもあります。このようにこの世代は、多様な医療的、心理社会的ニーズがあることから、平成30年3月に策定された厚生労働省による「第3期がん対策推進計画」においても、特に注力すべき領域とされました。

大阪市:報道発表資料 大阪市立総合医療センターに「AYA世代専用病棟」を開設します

専用病棟の推進は政策提言に盛り込まれているので今後も推進されるのだろうが、ここでも年齢で区切ってしまうことに違和感を感じる。15歳にとって30代半ばは親と同年代なのに、ひとくくり?

14歳でも40歳でも悩み事は人それぞれ。
AYA世代を特別視することに文句があるのではない。個々のニーズに合わせた就労問題や就学問題、メンタルヘルス問題のサポートをAYA世代だから、で括るのは無理がある気がする。
必要とする人たちが年齢の隔たりなく支援を受けられるようにしてほしい。