手術当日。結局ほぼ眠れないまま朝になる。
8:30には両親が到着。その前からまた泣いていたのでしばらく一人にしてもらう。何も言わなかったけれど、おそらく私以上に心を痛めているだろうと思うと申し訳ないのだけれど、もうどうにも自分をコントロールできない。自分のことで手一杯で、なんでもないフリはもうできなかった。
看護師が血圧を測りに来たり、術後必要になるものがそろっているかの確認に来たり血栓防止にハイソックスを履いたりバタバタしているうちに9:20に手術室へ呼ばれる。両親は病棟のディルームで待機。なんとか普通に行ってきます、と言って病棟看護師に連れられて歩いてOP室へ向かう。
入り口前のベンチに座っているとOP看が迎えに来る。何度も繰り返し名前と手術部位、内容を確認される。ベンチで髪の毛を不織布のシャワーキャップに押し込んで眼鏡をはずしたらOP室まで移動する。髪の毛をゴムで縛ることが出来ないそうで、ロングなので縛らずにきれいにシャワーキャップに入れるのが難しかった。視力がかなり悪いので、手術室まで歩く間の足元が不安だった。
ぼやっとしか見えないOP室は予想よりもかなり小さめの部屋。乳がんの手術は開腹ではない、体表の手術だから大丈夫、と事前に言われていたが、思っていたよりも更に簡易な感じで驚く。すぐ近くにシャーカステンもあってだれかが写真を見ているぽい。清潔域大丈夫??手術台が小さい、という話をいくつ見かけていたので身長の高い私ははみ出るのでは??と不安に思っていたがこれは普通だった。幅も足りなかったら。。と思っていたのだけれど大丈夫だった。
看護師がタオルを掲げてくれて前を隠してくれた状態で上着を脱ぐ。結果、病衣のパンツ、下着のパンツ、ハイソックスのみ。変なの・・と思いながら手術台に横になる。上からタオルをかけてくれて意識がある間は無駄に肌が出る事はなかった。少しめくってはあちこちに電極を張っていく。
昨日の麻酔医が健側の手の甲から点滴のラインをとる。手の甲の点滴は痛い、とこれまたあちこちで見かけていたので緊張するけれど、腕からとるのと大差なし。バイタル安定していますねー、心拍数ほぼ通常通りですよ、と声をかけられる。そうなんですね、緊張して気持ち悪いくらいなんですけどねー、と言ったらちょっと返答に困ってしまったよう。薬がいくつか順に投与されるが、途中で車酔いのような気持ち悪さがやってきた。それを伝えると、車酔いする?するなら覚めてから吐くかも、と言われたのが最後の記憶。
結局主治医の顔を見ることも言葉を交わすこともなく手術がはじまる。
(OP室にいたのかもしれないけれど、私の視力では見えなかった。多分シャーカステンの前にいたのは主治医だったのではないかと思うのだけど)