My life! after diagnosed with BC

正解ってなんだろう

「がんになっちゃって」―打ち明けられたときの“正解反応”と「言ってはいけない一言」 | がんと共に生きる。 | 文春オンライン

偶然目にして、久しぶりに自分が病気を打ち明けた時のことを思い出した。

 

一番うれしかったのは、「嫌だ。待っているから」
入院期間が2週間と長く、しかも繁忙期まっただ中だったので、直前の人事異動で代わりの人を配置してほしいと言った時に返ってきた言葉。
実際には人手が足りないとかいろいろ思惑があったのだとは思うけれど、躊躇なく即答してくれた上司の言葉に、救われる思いだった。

自分を肯定できなくて辛かった時に、病気になっても、今まで通りに働けなくても、それでもできることはあるのだと、あとあとずっと心の支えになった。


あとは、「私も一緒にタオルを巻く。ペットボトルは開けてあげるし落としたものは拾ってあげる」
これは術後LH-RH Agonistが嫌だと言っていた私に、できる治療はやってみた方がいいんじゃないかという説得中の言葉。
「ホットフラッシュで汗がだらだら出てどこにも行けなくなったらどうしたらいいの?仕事も出来ない、遊びにも行けない。関節痛でペットボトルが開けられないとか膝が痛くて落としたものを拾えなかったりするっていうし‥そんな治療をするのはいや!」に対して、「仕事中はどうしようもないけれど、遊びに行くときは私もタオルを巻くよ。ペットボトルは‥」と言ってくれた。言った本人は覚えていないようだけれど、言われたときに泣いたのを覚えている。まっすぐに心に届いた。

どちらも、自分が逆の立場だったとしたらこんなに素直に言葉にできないだろうなあ。でも、結局それが一番だったので、自分の(プラスの)気持ちは積極的に表現しよう。

 

逆に、言われて傷ついたこと‥は正直あまりなかったかもしれない。周りが目いっぱい気を使ってくれたのか、(当時は喫煙者だった)タバコ吸っていたからねー、といったことを(少なくとも面と向かっては)言う人はいなかった。

悲しかったこととしては、母が遺伝ではないかと気にしていたことだろうか。叔母が私と同じ年の時に同じ病気にかかっている。
当時としては結構若いときに罹患したことになるし、実際今でもこんなスクリーニングがあるのであながち間違ってもいないのかもしれない。

HBOCはどのように診断されるの?

でも、私が病気になったことで、母が悩み・自分を責めたのかと思うと、病気になったことがさらに腹立たしく、悲しくなった。

 

悩みすぎて投げやりになったがんの報告。スマートなカミングアウトの仕方をいまだに模索中です。

これもよくわかる。
結局必要な人には(嫌々)直接伝え、そうではない人には(口にするのも嫌だったので)何も言わないことにしたが、結局は余計な噂と憶測につながった。
でも、当時は自分の病気のことを認められていなかったので話をするのがつらくて・苦痛で最小限にしたかったので仕方がないと思っている。

 

まるで明日死ぬかのような感じで泣かれてしまうと、やっとこさ奮い立たせてきたものがしぼむことを知りました。

 !
これ、とってもよくわかる。
今すぐどうこうとか命に係わる状態だとは全く思っていなかったし、それをきちんと伝えているのに泣かれるなんて‥しかも相手は男の人だった。
周りからはそれだけ心配しているってことだよ、と言われたが思いのほか応えた。

その一方で、この方は「がんばっているね」は言ってほしいというけれど、私は言われたくなかった。頑張りたくて頑張っているわけでもないし、私がどんな思いをしているのか分からないのに気安く言わないでよ、と。

こういうのって本当に人それぞれだなあ。
他ではわかるー、と思うところがあっても地雷ポイントはまた別のようだ。

友人は、私が病気を打ち明けたあとに、言われてうれしいこと・言わない方がいいことを検索しまくったそうだ。
心理的にとってもサポートしてもらえたけれど、打ち明けた側はまだまだ不安定で自分でも自分の事がよくわからないし、いつもなら聞き流せることが気になったり些細なことで急に悲しくなったりするので、気分が変わりやすい。(私はそうだった)

結局、本人をよく知る人が本心を伝えてくれることが一番なのではないかと思う。
本心で思ってくれていることはちゃんと伝わるし、そうではない言葉はそれなりにしか伝わってこないのだから。