My life! after diagnosed with BC

初期治療にもパージェタ併用が拡大

健康診断の待ち時間に偶然見かけた昨日のリリース記事。

抗HER2ヒト化モノクローナル抗体ペルツズマブ(遺伝子組換え)-販売名「パージェタ®点滴静注420 mg/14 mL」(以下、パージェタ)について本日、厚生労働省より「HER2陽性の乳がんにおける術前・術後薬物療法」に対する効能・効果追加の製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。なお、今回の追加承認により、乳がんに対する効能・効果は新たに「HER2陽性の乳癌」となりました。

2018年10月10日|抗悪性腫瘍剤「パージェタ®」「HER2陽性の乳がんにおける術前・術後薬物療法」に対する効能・効果追加の承認取得について|中外製薬


今まで進行癌だけの適応だったものが適応拡大となり、HER2陽性に術前術後の補助療法としてケモ+ハーセプチン+パージェタが使用できるようになった

術後療法はHER2陽性早期乳癌を対象に実施されたフェーズ3試験APHINITYの結果、術前療法は、海外で実施された高リスクのHER2陽性早期乳癌を対象とした2件のフェーズ2試験(NEOSPHERE試験とTRYPHAENA試験)と国内の医師主導治験無作為化フェーズ2試験 Neo-Peaksの結果に基づいているそう。
APHINITY試験では、従来のケモ+ハーセプチンにパージェタを併用すると、IDFSが統計学的有意に改善したという。

IDFS(Invasive Disease-free surviva 無浸潤疾患生存期間):術後療法後に浸潤性乳がんの再発(遠隔転移・局所再発・他癌含)もしくはすべての理由による死亡を認めない生存時間

有意に改善、の内容は

再発または死亡リスクを19%減少させました[ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.66-1.00、層別log-rank検定、p=0.0446]


再発・死亡リスクを19%減少ってすごい気がする。
もともとハーセプチンもHER2陽性にはとてもよく効き、一気に再発率を下げたということだけど、この併用でLuminal/Her2/TNBCの中で、HER2陽性が一番「予後がいい」となりそうな感じ(あくまでもイメージ)。術前でもpCRが多いと聞くし、温存できる可能性も上がりそう。HER2過剰発現という目印の付いたがん細胞のみをターゲットにできるのだから治療効率が良いのは納得。


2015年のガイドラインでは「化学療法薬とトラスツズマブにほかの抗HER2薬を併用することは勧められない」C2だったものが、今年発表の2018年ガイドラインでは「3年IDFSは統計学的には有意に改善しているが,今のところその差はわずかである。全生存期間を含め,今後フォローアップデータを引き続き注視していく必要がある」となった。その数か月後には初期治療にも適用拡大
私たちの治療はどんどん進化している事を実感。



HER2陽性に関することはあまりわかっていないので、認識間違いがあるのかもしれないが、治療成績がUPする内容だよね、とうれしくなった。

前にも書いたけれど、→(がんゲノム医療に関する講演を聞きに行く )たくさんの医師や研究者が研究や治療成績向上に尽力してくれていることに感謝が絶えない。