My life! after diagnosed with BC

2018年版乳癌診療ガイドライン:その他もろもろ

再建に関して:

総説 乳癌初期治療における乳房再建


CQ6)乳房再建を希望するリンパ節転移陽性乳癌患者に対して,乳房全切除術後の一次乳房再建は勧められるか?


全生存率の低下,無再発生存率の低下,局所再発率と遠隔転移率、合併症発生率には有意差がないそう。
ただ、腋窩リンパ節転移が4個以上だと、胸壁への放射線照射が行われ、高度な被膜拘縮を生じる可能性が高くなること、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が定めるTEの適用は術前診断においてStageⅡ以下で皮膚浸潤,大胸筋浸潤や高度のリンパ節転移を認めない症例となる。
腋窩に転移があったので1次再建しない」というのは標準治療から外れるようだ。

社会的にみた医療コストとしては,乳癌患者の術後QOLを改善するという意味では適正な額と考えられる

 ありがとう。

 

 

CQ3.乳房再建を前提にした乳房全切除術において乳房皮膚または乳頭・乳輪の温存は勧められるか?
→乳房皮膚を温存することを弱く推奨する、乳頭・乳輪を温存することを弱く推奨する。


とはいえ、乳頭壊死・乳頭部再発・乳頭の偏位の可能性などに関するリスクを十分に説明のうえ実施することが望ましいそう。(リスクはいろいろ書かれていた)


これもしつこいけれど、やっぱり気になる、

CQ12)ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌に対する術後化学療法の適応を検討する因子としてKi67は推奨されるか?

 
結果は弱く推奨する。
Ki67のカットオフ値や測定法がさまざまであること、Ki67と術後化学療法の感受性との相関について一定の結論は得られないことから。化学療法の適応を考える際には、予後因子と効果予測因子の両方が必要だが、Ki67は予後因子だけだからということ。効果予測因子には触れていなかったが、ここを補うのがOncotypeDXなんだろうなぁ。
そう思うと、「予後が心配だから化学療法」という考え方もあるということなんだろうか。でもLuminalAでは効果が期待できないっていうし。

 
そのほか、なんだかんだで気になる食事や生活の中のリスク

ここまではもう私には関係ないけれど、発症リスクについて
マンモグラフィの高濃度乳腺では,発症リスクが増加(確実)
・良性乳腺疾患は発症リスクを増加させる(確実)
・夜間勤務は発症リスクを増加させる(可能性あり)
不妊治療の排卵誘発は発症リスクを増加させるか(海外ではエビデンスなし)
・BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異をもつ女性に予防的内分泌療法は勧められるか(弱く勧めない)

乳製品の摂取・大豆,イソフラボンの摂取は発症リスクを減少させる可能性があり、アルコール摂取・(受動を含む)喫煙は発症リスクをほぼ確実に増加させる。
運動がリスクを減らすのは閉経後で、閉経前は証拠不十分。同様に肥満がリスクを増加させるのは閉経後は確実で閉経前は可能性ありにとどまる。

ここから再発(予後)に関するリスク
・肥満は患者の予後に影響を及ぼすか(診断時肥満のTNBC以外はほぼ確実)
・初期治療後の食事による脂肪摂取は予後に影響を及ぼすか(証拠不十分)
・アルコールの摂取は予後と関連するか(大きな関連なし)
・喫煙は予後と関連するか(ほぼ確実)
・食事によるイソフラボン摂取は予後に影響を及ぼすか(診断後)(可能性あり)
・乳製品の摂取は予後に影響を及ぼすか(証拠不十分)

アルコール、脂肪、乳製品は摂っても害はなさそう。イソフラボンは予後に+に作用するかも、肥満と喫煙はほぼ確実に-に働く。

 

 

他、直接は関係ないけれど賛否両論だったので気になっていた、

CQ11.再発リスクが高くかつ十分な骨髄機能を有する症例には,原発乳癌に対してdose-dense化学療法は推奨されるか?
→再発リスクが高くかつ十分な骨髄機能を有する症例には,原発乳癌術後化学療法としてG-CSF併用のdose-dense化学療法を行うことを強く推奨する。


強く推奨なんだ。益も害も高いけれど益が上回るというイメージだろうか。

 

 

 以前にレビューを読んで気になっていたことも続きが読めた。

 

総説 乳癌初期治療における腋窩手術  とか
http://jbcs.gr.jp/guidline/2018/index/gekaryoho/0002-2/

総説 転移・再発乳癌に対する外科手術  とか。
http://jbcs.gr.jp/guidline/2018/index/gekaryoho/g4/

 

TAILORx試験でOncoType Dxの中間リスクをどうするか、の話はFQからCQになっているかな?と思ったが、FQのままだった。中間RS群については明確な結果は得られなかったとなっている。
リンパ節転移1~3個&RS<25を対象としたRxPONDER試験が進行中だそう。(TAILORx試験はリンパ節転移陰性が対象)

 

最近、またちょっと話題になってしまっていた、 

BQ13.乳癌治療として補完・代替療法は勧められるか?

補完・代替療法(complementary and alternative medicine:CAM、民間療法)は、約半数の乳がん患者(海外では平均45%、日本では44.6%)が行っているそう。
内容は人種間で違いがあり、欧米では痛みや副作用の緩和・心理的不安の軽減を目的に、日本の3分の2は病気の進行抑制を期待して行うそう。

割と最近、民間療法で再発治療をしていたニュースがあったが、補完・代替療法には腫瘍抑制・再発抑制効果、延命に対するエビデンスはないので、標準的な治療をせずに補完・代替療法のみを選択すると病状の進行や生命予後の短縮に結び付く可能性がある。

でも、エビデンスレベルの高い補完・代替医療というのもあり、表まであった。不安・ストレスの軽減や鬱症状、QOLの改善には瞑想が「高い利益を強く確信できる」として推奨グレードAとなり、音楽やヨガがグレードBとなっている。瞑想‥寝そうだ。

私は運動すると気分がすっきりするし、怠い時にはストレッチやピラティスをする。不安な時や眠れない時にアロマを使ったりもした。足のむくみが気になるときにはアロマオイルを使ってマッサージしたり、ツボ押しもする。ホルモン療法による代謝改善と痩せたい目的で漢方も飲んだし、黒酢を毎日飲むというのは罹患前から続けている。
こういうのも全部補完・代替療法なのだ。

その結果、

医師向けにはCAMを頭ごなしに否定するのではなく,このような治療を選択する患者の心理に理解を示すことも重要である。


というコメントになる。頭ごなしに否定するなと。
知力も体力も人間性も求められるのね。先生方も大変だ。。

がんの治療を目的にして使用するのではなく、緩和やQOLの改善に補助的に使うのはアリ。サプリや漢方などは治療薬に干渉することがあるので隠さず申告。

 治療として選択するのではなく、健康な日常生活を送るための助けとして取り入れよう。