My life! after diagnosed with BC

平成30年度診療報酬改定、斜め読み

平成30年度診療報酬改定について今週月曜に公表があった。
償還価格以外の診療報酬部分や薬価改定の内容も公表されている。

www.mhlw.go.jp

 

薬価に関して、値下げ?と思ったのはこのあたり。

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・ノルバデックス(アストラゼネカ)・フェアストン(日本化薬)が後発品収載10年経過で後発品価格への引き下げ
・アリミデックス(アストラゼネカ)・アロマシン(ファイザー)が後発品へ置き換えが進まないので薬価の引き下げ
ハーセプチン中外製薬)が新薬創出等促進加算の加算相当額変換
他にも化学療法で聞く薬剤各種や制吐剤で耳にするイメンド等も掲載されていた。

民間保険に入っていなかった(そして今更入れない)私にとって、この先かかる費用は心配ごとの一つ。
今はTAM+LH-RH Agonistで比較的安価な治療だが、将来的にアロマターゼ阻害薬になると高くなるんだろうなぁとか、ケモが必要になったら払い続けられるんだろうかなどはやっぱり気にかかる。
新薬は高いとしても、こうして薬価が下がっていくのはありがたい限りで、この先少しずつ下がってくれれば必要になるころにはもっとお手頃になっているかも。現在使用されている方の負担も少しでも軽減されるのかも。
LEUもZOLも、5年分となるとそれなりの金額なので順次下がってくれるといいなぁ。
レクサプロも下がってくれる(ジェネリックが出るとかでも)と、うれしいのだけど。


もう一つ気になったのはがんゲノム医療。
第3期がん対策基本計画に記載されていた通り、がんゲノム医療の普及に向けた環境整備が進でいる。「がんゲノム医療中核拠点病院」として23の応募施設から厚労省が2月に11医療機関を選定済み(4月1日指定予定)、診療がメインの「がんゲノム医療連携病院」も3月14日までに中核病院から申請して、3月中に確定予定。18年度から全国で順次パネル検査による医療を受けられるようになる(らしい)。

異常に合わせ、最も効きそうな薬を選んで投与する。効果が高く副作用が少ないとされ、次世代がん治療の本命と考えられている。

とか、「副作用がなくて効果の高い個人に適した治療ができる、無駄な抗がん剤投与は不要!」というのが最終目的だと思うが、日々目に入ってくるニュースや記事を見ているといいところばかり前面に出しすぎな気がする。。
私が入院していた昨年1月に、全額自己負担での検査案内が病院内に貼られていた。このポスターを見た人から、「医療の進歩ってすごいね、自分に合った薬で治療ができるんだね、がんの治療というとつらいものというイメージがあるけれどそういうのもなくなるんだね!」と言われたこともある。確かにそういう印象を与えがちかもしれない。

現状では数十から数百のがん関連遺伝子を調べても変異が見つからない場合もある、みつかっても現時点では有効な治療薬がないこともある、治療薬があっても適応がない場合もある、投与ができない場合もある、治療薬がみつかった場合でも標準治療が優先である。変異が見つかるのは80-90%、効果がある薬がみつかり投与できたのは全体の10%程度。
FDAが承認した「FoundationOne CDx」は324のがん関連遺伝子を調べても結果を参考に選べる治療薬は米国で17だけしかないそう。
ハードルが高いなぁ‥と思っていたが、その1年後には先進医療として認められた。

高額な検査を保険収監する必要があるのか?とも思うが、検査の普及によって治療薬の開発が進むだろうという期待があるから。
今後、遺伝子検査の情報を収集する「がんゲノム情報管理センター」を整備し、集まったゲノム情報を新薬開発やバイオマーカーの探索に役立てる予定だそう。

連携病院からの依頼を受け、中核病院が実施するとなっているが、「パネル検査を実施できる体制がある(外部機関との委託を含む)」とのことなので中核病院内で実施しなくても外注もできる。

がん関連の研究には予算も大きくつくが、このがんゲノム医療も大きなお金が動いている。せっかく税金でやるのであれば受託検査で海外に出してしまような内容ではなく、国内で検査ができて国内に還元させられるシステムができてほしいなーと思う。


その他、うーん‥とかふーん‥とか思った項目。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000193708.pdf

Ⅱ-1-1 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価
⑦がん患者の治療と仕事の両立に向けた支援の充実
療養・就労両立支援指導料 1,000 点(6月に1回)
相談体制充実加算 500 点
産業医宛に情報提供+看護師か社会労務士が指導+産業医からの意見の取得+治療計画の見直し で半年に1回1,000点!

Ⅱ-1-8 薬剤師・薬局による対人業務の評価
① 薬局における対人業務の評価の充実
薬剤服用歴管理指導料の値上げ‥。38点→41点

Ⅳ-2 後発医薬品の使用促進
① 薬局における後発医薬品の使用促進
後発医薬品調剤体制加算3新設、最大22点→最大26点

Ⅳ-2 後発医薬品の使用促進
③ 一般名処方加算の見直し
処方箋料が2段階それぞれ→点数が倍

Ⅳ-8 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価
② 実勢価格等を踏まえた検体検査の適正な評価
悪性腫瘍組織検査(悪性腫瘍遺伝子検査)
同一がん種に対して悪性腫瘍遺伝子検査を実施した場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する→最大6,000点

Ⅳ-8 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価
ヘパリンナトリウム、ヘパリン類似物質の処方に係る要件の見直し
ヒルドイド等の処方には影響なし
疾病の治療以外を目的としたものについては、保険給付の対象外である旨を明確化する
疾病の治療であることが明らかであり、かつ医師が当該保湿剤の使用が有効であると判断した場合を除き、これを算定しない

保険点数の恩恵を受けている人もいるのだろうが、医療を受ける人たちにも税金を払う人たちにも恩恵のある(ムダの少ない)内容だといいのだけれど、どうなのだろう。
しばらくすれば説明会が始まる。前回までは半分他人事で聞いていたが、今回は違う目線で聞けそう。私が聞きたい話も出てくるといいな。